2023.09.26

S-RIDE代表 佐藤誠司さん

今回ご紹介するのは、ウィンドサーフィンやSUP(スタンドアップパドル)など海のアクティビティ全般を扱う、三浦海岸のS-RIDE(エスライド)。代表の佐藤誠司さんにお話をお聞きしました。

三浦海岸に店を構えて15年あまりになる、S-RIDE代表の佐藤さん

―S-RIDEさんの事業内容をお聞かせください。

ウィンドサーフィンやSUP、シーカヤックなどの体験スクール、機材のレンタル・保管、場所の提供、ビーチBBQなど、海のアクティビティ全般です。最先端のマリンスポーツ、ウィングフォイルの体験もやっています。もとはウィンドサーフィンがメインでしたが、4、5年前からはSUPの方が主流になってきました。SUPは10年ほど前にハワイで人気になり日本にも入ってきたのですが、初心者でも簡単にできるので、海のアクティビティの間口が一気に広くなりました。

初心者でも気軽に楽しめるSUP
 
インストラクターが教えてくれます
手ぶらで楽しめるビーチBBQも人
もちろん釣りも楽しめます

―なぜ、三浦で開業されたのですか?

僕自身は東京出身なんです。高校時代にウィンドサーフィンと出会って、若い頃は選手として活動していました。海外にもよく行きましたし、年間300日は海に入っていましたね。もう、波のことしか考えていませんでした(笑)。三浦海岸のことは、選手時代から知っていました。少し沖に波が立つ岩場があって、そこが絶好のポイントなんです。事業を始めるにあたっては、逗子・鎌倉方面も考えたんですが、あちらはショップも乱立してオーバーツーリズム状態で…。新しく始めるなら三浦海岸がいいだろうと思い、15年ほど前にここで起業しました。

―客層としては、どのような方がお店に来られますか?

ウィンドサーフィンをやる方は、本格派が多いですね。SUPが主流になってからは、海水浴のついでにSUPもやってみようかなという方が圧倒的に増えて、女性も増えました。うちでも、マホロバマインズのフィットネスクラブと提携して、女性をターゲットにしたSUPヨガやフィットネスのクラスもやっています。本当に、SUPによってマリンスポーツのハードルが下がり、客層がガラリと変わりました。みなさん、海の遊び方が上手くなっていますよね。楽しみ方の幅が広がったのは、とてもいいことだと思います。


―マリンスポーツをするうえで、三浦海岸の魅力は?

やっぱり、ですね。ウィンドサーフィンでは、サイドショアといって海岸に平行な横向きの風が適しているんですが、三浦海岸は特に冬場の北東から吹く風がいいんですよ。逗子の方は初心者には風が難しいので、冬場は三浦海岸にウィンドサーファーが多く集まってきます。一方、夏場は風が入りづらく、SUPに適しています。

―佐藤さんにとって、三浦はどんなところですか?

僕らのような“よそもの”にもオープンな、温かい地域です。そして、“よそもの”が元気な地域でもあります。都会から移住してきた“よそもの”の方が、都会の人が欲しているものが見えるからかもしれませんね。実はマホロバマインズの社長は、ウィンドサーフィン仲間。SUPヨガは、軽い気持ちで相談したら、「いいね、やってみようよ!」という感じで始まったんですよ。そういうのは三浦らしいですよね。いわゆる「提携」みたいなことはしていなくても、お客さんを紹介し合うなど、お店同士が協力してやっています。

「三浦のポテンシャルはすごい!」と語る佐藤さん

―ご自身の事業や三浦半島の観光について、課題に感じていることは??

三浦市では、三浦海岸近辺でも修学旅行の受け入れや生徒のアクティビティ体験などをやっているのですが、大口団体の受け入れ先がないんです。ぜひ、そういう大規模な施設を作っていただきたいですね。三浦海岸は、東京や横浜、羽田空港からのアクセスもいいし、鎌倉のようなオーバーツーリズム状態にもなっていないですから、受け入れる体制づくりをしっかりすれば、もっとお客さんが増えると思うんです。10倍くらいになるんじゃないでしょうか。それくらい、めちゃくちゃポテンシャルのある地域なんですよ。

具体的には、既存の「海の家」のシステムを変えて、海外にあるサーフステーションのような拠点を作ってはどうかと思います。そこに行ったら、手ぶらでマリンスポーツが楽しめて、シャワーやお風呂にも入れて、地元の美味しいものが食べられて、たとえ海が荒れて遊泳禁止になっても子どもを遊ばせられる全天候型の遊び場があって…。そういうふうに、海水浴場も変わっていかないといけないと思うんです。

三浦の海のことをもっと大きな視点で捉えて、いかにして利用客を増やしていくか、話し合う場をつくっていきたいですね。

※このインタビューは2021年11月に行われたものです。

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