2024.09.30

地元住民が得意を生かしてプロジェクトを推進。地域交流拠点「屏風浦つながるステーションB」がついにオープン【第2回/全3回】

上大岡newcalがスタート!地域住民が「屏風浦カイギ」で連携

トレーラハウスの横に立ってポーズをとる男女と旗を掲げる子供たち

2024年8月、京急沿線上大岡エリアで地域住民と京急電鉄が地域社会の共創を進めるエリアマネジメントプロジェクト「上大岡newcal」が本格始動。8月14日には、屏風浦駅前の地域交流拠点がオープンしました。

地域交流拠点の設置にあたり、活動の拠点となるトレーラーハウスの配置、管理方法、告知などの企画、進行に取り組んできたのが、屏風浦の地域住民が中心となって運営する「屏風浦駅前のソトを空想するカイギ」(以下、屏風浦カイギ)のメンバー。カイギで話し合いを重ねるうち、自然な流れで、それぞれの専門分野や得意分野を生かした4つのチームに分かれることに。役割分担しながらプロジェクトを進行しました。

編成されたチームは、下記の4つ。

・「設備・工事施工・DIY」を担当するAチーム

・「運営ルール作り」を担当するBチーム

・「イベント声がけ」を担当するCチーム

・「広報・情報発信」を担当するDチーム

準備期間中は、全体会議とは別にチームごとの分科会も開催しています。

また、チームに参加したメンバーは、オープン後も地域交流拠点の運営を先導する「コミュニティマネージャー」として活動を続けていくことも、決まりました。

今回は、屏風浦駅前の交流拠点がオープンに至るまでの屏風浦カイギの取り組みを振り返るとともに、今後の屏風浦カイギの目標を紹介します。

オープンに向け、子どもたちとのDIY。地域のつながり生む機会に。

トレーラーハウスの白い壁にペンキでペイントする子供達の後ろ姿
地元の子ども達がおもいおもいにトレーラーハウスをペイント。

地域交流拠点オープンから遡ること数日前の、2024月7月20日、屏風浦駅前に設置された、まっさらなトレーラーハウスのもとに、数十人の地域の子どもたちが集まりました。手にはおもいおもいの色をとった刷毛。タイニーハウスの外壁に、自由な線を描いていきます。

この日は、駅前に設置されたトレーラーハウスのDIYイベント。屏風浦カイギに参加する、神奈川大学建築学部上野研究室の学生と、デザイン会社『HOC』によるデザインは、屏風浦の「B」の文字がタイニーハウスの壁にぐるりと巻きついたものです。

快晴のもと、子どもたちの笑い声に包まれ、イベントは大成功。屏風浦の住民たちが集まり、自らペイントすることで、世界にひとつの、“私たちの地域交流地点”が誕生。地域の人々のつながりを生む拠点としてふさわしいスタートの準備が整いました。

京急百貨店でオープン告知イベント。住民を巻き込み、愛着のある場所に 

トレーラーハウスの塗り絵が一面に貼ってある壁
集まったトレーラーハウスの塗り絵は、イベント会場に展示されました。

地域交流拠点のオープンを目前に控えた、8月1日〜4日。上大岡newcalのスタートと地域交流拠点の告知を兼ねて開催されたのが、上大岡駅の京急百貨店で実施したぬりえイベント。

訪れた人は会場に用意したトレーラーハウスの塗り絵に自由に絵付けし、トレーラーハウスをデザイン。同時に、地域交流拠点の名前も公募しました。

イベントは、夏休み中の親子連れを中心に大盛況。塗り絵や公募を通し、実際に拠点を活用する地域住民の方々にオープン前から親しんでもらうことができました。

トレーラハウスの横に立ってポーズをとる男女と旗を掲げる子供たち
「つながる」というキーワードに地域交流の思いを込めて、ネーミング。

公募で集めた名前は、後日、屏風浦カイギで候補を絞り、検討。最終的に、「屏風浦つながるステーションB」に決定しました。トレーラーハウスのコンセプトである「つながり」というワードが運命的にリンクしたネーミングに、メンバーも大満足。屏風浦カイギに参加する、「パンチュールデザイン」の佐藤かおりさんの手によって、ロゴマークも作成されました。

「屏風浦つながるステーションB」のロゴマーク
地元デザイナーの佐藤かおりさんによって作成されたロゴ

住民主体で認知拡大イベントを実施。活用のハードル下げ、どんどん使いたい

木製デッキの上でボール掬いをする親子連れ
オープンイベントには、親子連れの姿も多くみられました。

2024年8月14日。およそ8か月の間、屏風浦カイギのメンバーが準備を重ねてきた地域交流拠点「屏風浦つながるステーションB」が、京急屏風浦駅前にオープンしました。

オープンに伴い、14日15日の2日間にわたって開催されたのが、屏風浦カイギの集大成であるオープニングイベント。当日は、駅前という立地から多くの地域住民が立ち寄り、メンバーは認知拡大の手応えを感じました。

タイニーハウスの用途を提案するチラシ
オープン告知のチラシでは、タイニーハウスの活用アイデアも募集しました。

屏風浦カイギのメンバーによると、今後の課題は、「地域交流拠点の活用方法を知ってもらうこと」。自分たちが先導してさまざまな活用法を見せることで、「こんなふうにも使えるんだ」というアイデアを提供し、活用のハードルを下げていきたいとのこと。メンバーが入っているLINEのオープンチャットでは現在、活用法のアイデアが飛び交っているそうです。

神奈川大学建築学部の教授・上野正也先生
トレーラーハウスのデザインを担当した、神奈川大学建築学部まち再生コース准教授・上野正也先生(Instagram:https://www.instagram.com/ueno_labigsh=emN5YTNsZ29iaHZo&utm_source=qr
野外の自然をバックに腕組みして立つ合同会社HOC代表・濵久貴氏
合同会社HOC代表・濵久貴氏(HOC HP:https://hoc-co-jp.studio.site/
黒い壁の前に横向きで立つパンチュールデザインの佐藤かおりさん
「屏風浦つながるステーションB」のロゴデザインを手がけた、パンチュールデザインの佐藤かおりさん(Instagram:https://www.instagram.com/peinture___design?igsh=MXZlZHd4eHRmajRtOA%3D%3D&utm_source=qr

屏風浦カイギは、京急沿線地域のまちづくりコミュニティの中でも、地域住民が自主的にコミュニティを運営し、自分たちのスキルを生かして地域交流拠点という形を実現た成功例と言えます。「上大岡newcal」では今後、屏風浦カイギの実績をロールモデルとして、各沿線地域の住民と京急電鉄の連携を強化し、地域交流拠点の設置と活用、自主的な運営を上大岡エリア全体に広げていくことを目指します。