2024.03.14

「newcalファミリー Meetup!」とは?事業者同士の連携で起こすシナジーが、地域の新たな魅力を形成


地域事業者の接点をつくる、「newcalファミリー Meetup!」とは?

2023年に三浦半島地域で行われた「第3回 newcalファミリー Meetup!」の参加者記念写真。

ローカルな事業者同士が出会い、それぞれのビジネスを連携して地域を盛り上げる新たな事業を創出する。そんな機会を生む取り組みが、三浦半島で行われています。

「newcalファミリー」は、京急沿線、三浦半島地域に関わる事業者、自治体、企業など343団体(2024年3月時点)と京急電鉄が三浦半島の観光活性化をめざすエリアマネジメント組織。

年に1度開催される、「newcalファミリー Meetup!」(以下「Meetup!」)では、「newcalファミリー」に参加する地域事業者、自治体、企業などが一堂に会し、地域に相互誘客や新規事業を創出するアイデアを出し合います。また、そんな交流の機会からは、地域の魅力づくりに貢献する事業が生まれることも。

今回は、2023年の「Meetup!」で行われたワークショップの内容を振り返りながら、参加者の皆さんの意見から生まれたアウトプットや、「Meetup!」での出会いから生まれた三浦半島地域の新規事業について、事例を交えて紹介します。

参加事業者が地域の魅力をプレゼンし合い、地ビールで交流。

2023年9月15日、神奈川県横須賀市の『ヴェルクよこすか』で開催された、「第3回 newcalファミリー Meetup!」では、三浦半島地域の45事業者や地域の団体などから約90名が参加。
参加者は三浦半島の横須賀エリア、三浦・三崎エリア、逗子・葉山エリアの3地域にランダムに分かれて自己紹介を済ませたのち、ワークショップを行いました。

「第3回 newcalファミリー Meetup!」ワークショップの様子。複数回グループをチェンジして参加者全員が交流を深めました。

ワークショップの内容は、同年11月から三浦半島に訪れた方の観光滞在時間を延ばす目的で開催されるデジタルスタンプラリーの企画を立てるというもの。

「第3回 newcalファミリー Meetup!」ワークショップの様子。集めたアイデアを模造紙に書き出し発表しました。

3つのラウンドに時間を区切り、グループをシャッフルしながら、①情報共有、②「ラリーポイントとしておすすめのスポット」、③「スタンプラリーでもらえる景品」を抽出。グループ内でアイデアを出し合いながら、模造紙に落とし込んで発表し、3ラウンド終了後には参加者同士の投票によって採用するアイデアを決定しました。

「第3回 newcalファミリー Meetup!」の様子はコチラから

ワークショップの終了後は、参加者同士が自由に交流できる懇親会を実施。地元三浦半島の飲食店、『たのし屋』が提供するケータリングと、横須賀のクラフトビール『ヨコスカゴールド』が会場をにぎわせています。

「第3回 newcalファミリー Meetup!」ワークショップの様子。地元三浦半島の飲食店『たのし屋』が提供したケータリング。

参加した事業者の方からは、「観光事業者として、地域の事業者同志、つながりたいという思いがあったものの、普段はなかなか接点が持てないので、このような機会に参加できてよかったです」「三浦だけでなく、いろいろなエリアと連携できるアイデアが生まれそうです」といった声が上がっています。

なお、本「Meetup!」で採択されたアイデアは、2023年11月20日(月)〜2024年1月31日(水)の期間に開催されたデジタルスタンプラリー、『三浦半島モビリティクエスト!動こう楽しもうためそう』に反映されています。

京急電鉄車内で掲載された『三浦半島モビリティクエスト!動こう楽しもうためそう』の告知広告。

本施策は、横須賀エリア、三浦・三崎エリア、逗子・葉山エリアの各エリアでnewcalファミリーが選んだおすすめスポットのうち、好きなスポットを3か所以上巡って応募した人に三浦半島自慢の景品が当たるというもの。景品には「Meetup!」で採択された商品のほか、電動キックボードやシェアサイクルなどのシェアモビリティで移動した人に当たる「モビリティ賞」も設置。「newcalファミリー」が推奨する、三浦半島地域の脱炭素化や地域の方のシェアモビリティの普及を後押する形となりました。

newcalファミリー同士がつながり、地域課題を解決する新事業を展開!

「Meetup!」開催の狙いは、ワークショップにおける意見交換やアイデア出しだけにとどまりません。普段は接点のない参加者同士が出会い、それぞれの事業や活動を掛け合わせることで、地域に新たな事業を生むといった相乗効果が期待できます。

三浦市三崎地区での古民家を活用した分散型ホテル事業


2022年4月に三浦市三崎地区に開業した『三浦半島の旅宿 三崎宿』は、不動産を活用した飲食・体験・宿泊などの企画・運営を行う「ミウラトラスト株式会社」と観光遺産産業化ファンドを通じた投融資などを行う「地域経済活性化支援機構(REVIC)」、「横浜銀行」、「三浦市」、「京急電鉄」が共創。有休資産を活用してビジネスを創出し、地域の魅力向上に貢献しています。また、三浦半島エリアは神奈川県の他の主要観光地と比較して、宿泊客の割合が少なく、滞在時間が短いという地域課題に対して、地域の滞在拠点としての役割を担うことで解決に寄与しています。

「株式会社クラフトガレージ」✖️「京急電鉄」 クラフトビール醸造所のオープンと記念キャンペーン

三浦市内初のクラフトビール醸造所兼タップルーム『三浦ブルワリー』。

クラフトビール事業を行う「株式会社クラフトガレージ」は2023年11月、三浦市内初のクラフトビール醸造所兼タップルーム『三浦ブルワリー』をオープンしました。

本出店は、クラフトビールを通じて地域コミュニティの形成を目指す「株式会社クラフトガレージ」と、地域事業者などと連携してエリアマネジメント活動を行う京急電鉄が「newcalファミリー」をきっかけに連携。2️022年4月以来、約1年半をかけて出店先の確保や販促計画の立案などに共同で取り組み実現したもの。三浦半島地域に訪れる観光客にクラフトビールを楽しんでもらうことで、地域課題である三浦市エリアの観光滞在時間の拡大に取り組んでいます。

今回オープンした『三浦ブルワリー』には、醸造所で作られたできたてのクラフトビールが楽しめるアメリカンスタイルのパブが併設されているほか、新たな三浦土産として、持ち帰り用ビールを販売しています。将来的には三浦地域のレストランや土産物店への卸も展開し、三浦の新たな文化としてのクラフトビールの定着を目指すとのことです。

醸造所で作られたできたてのクラフトビールを併設のパブで楽しめます。

また、クラフトガレージは2023年11月18日(土)〜12月24日(日)、本施設のオープンを記念して「三浦半島のおトクなきっぷでクラフトビールを楽しもうキャンペーン」を実施。期間内の土日祝日に、店舗で京急電鉄が発売する「みさきまぐろきっぷ」、または「三浦半島まるごときっぷ」を提示してビールまたはソフトドリンクを注文した方に、先着で京急グッズと三浦ブルワリーボトルオープナーをプレゼントするキャンペーンを実施し、オープニングを盛り上げました。

沿線地域の価値向上を先導する、地域コミュニティの広がりに期待!

京急沿線地域では現在、各地域で形成している地元のnewcalファミリーが中心となって、エリアマネジメントの「組織化」や「地域拠点整備」、「Maas整備」、「シェアモビリティ整備」など4つの共創活動を推進。沿線の「移動と住む、働く、楽しむ、学ぶ」を一元化するデジタル基盤、「EaaS(イアース)」(Ensen as a Service)の整備を進めています。

三浦半島地域で行われた「newcalファミリー Meetup!」は今後、地域事業者自らがコミュニティを活用し、新たな地域の魅力形成につながった成功事例として、沿線地域全体で展開されていくことでしょう。